男児虐待の男、被害者の「同性愛」理由に減刑 アルゼンチン裁判所
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【5月19日 AFP】南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)の高等裁判所が、6歳の男児に性的虐待を加えたとして有罪となった男に対し、被害者の男児が事件前から父親に虐待されていた同性愛者だったとの理由で、刑を減刑する判決を下したことが18日、明らかになり、非難が巻き起こっている。
判決では、マリオ・トロサ(Mario Tolosa)被告に対する刑が、禁錮6年から3年2月に減刑された。地元サッカークラブの副会長のトロサ被告は、2011年に男児を虐待した罪で有罪判決を下されている。
同高裁の判事2人は、事件より前に父親によって虐待された男児が、再度の性的虐待を同じ形で受けることはできなかったはずだとし、「男児の性的選択がすでになされていたことは明らかだ」と指摘。男児が「そうしたセクシュアリティーを早熟に選択した」との根拠のない主張を行った。
この判決に対し、性的少数者の権利団体「アルゼンチンLGBT連盟(FALGBT)」は同日、判決に署名をした高等裁判所の判事2人の弾劾裁判を要求した。(c)AFP