IS制圧のイラクのラマディ、奪還目指しシーア派民兵が集結
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【5月19日 AFP】イラク最大の州アンバル(Anbar)州の州都ラマディ(Ramadi)がイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」に制圧されたことを受けて、イスラム教シーア派(Shiite)の民兵が18日、奪還を目指して同市近郊に集結した。ISが3日間の激しい攻撃で同市を制圧したことで、イラク政府は大きな痛手を受けた。
イラクのハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相はこれまで、アンバル州へのシーア派民兵派遣には消極的な姿勢を示してきた。同州はイスラム教スンニ派(Sunni)アラブ人が多数を占めていることからシーア派への反発を懸念し、米軍の支援を受けて地元の部隊を動員する方を優先してきた。
しかし民兵司令官らは18日、ラマディ陥落により政府がシーア派の民兵組織「人民動員隊」を必要としていることは明らかだと主張した。
部隊の規模も大きく戦闘経験も豊富な民兵を投入した政府側は、ISが防御を固めないうちに反攻を開始すると予想されている。
アバディ首相は、イラクを訪問していたイランのホセイン・デフガン(Hossein Dehghan)国防軍需相と会談。その後首相府は、アバディ首相が「(ISと)対決する戦闘部隊を再構成して動員するため、ラマディに新たな防衛線を引くよう命じた」と伝えた。(c)AFP/Salam Faraj and Ammar Karim