【5月15日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者が14日、6か月ぶりとなる音声メッセージをインターネット上に公開し、イスラム教徒に向け同容疑者が「カリフ制国家」と呼ぶISへ移住するよう呼び掛けた。

 その録音の中でバグダディ容疑者は、「われわれは各地のイスラム教徒に、『イスラム国』へ移住するか、あるいはどこであろうともその場で戦うよう求める」と呼び掛けた。

 30分に及ぶ演説を読み上げる声は、昨年11月に公開された同容疑者の前回の録音音声と一致しているように聞こえる。

 また前回同様、今回のメッセージも、イラクとシリアのISに対する米軍主導の有志連合による空爆で、同容疑者が重傷を負ったという報道が出回った数日後に投稿された。

 AFPではこの最新の録音が本当にバグダディ容疑者のものであるかどうかの確認も、録音日の特定も不可能だが、声の主は、サウジアラビアが主導するアラブ連合軍が3月末、イスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力フーシ派(Huthis)を標的にした空爆を開始したイエメン情勢に言及していることから、最近録音されたものとみられる。

 これまでの演説と呼応するように、同容疑者のものと思われる今回の演説も、イラクとシリアの一部に昨年6月に樹立を宣言したISへ移住すること、あるいは地元で「聖戦」に参加することは義務だと訴えている。今回の演説を書き起こした内容は、5か国語に翻訳されて公開されている。(c)AFP/Jean Marc MOJON