クーデター発生のブルンジ、大統領が帰国
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【5月15日 AFP】軍高官がクーデターを宣言したブルンジのピエール・ヌクルンジザ(Pierre Nkurunziza)大統領が14日、帰国した。大統領派は、敵対する兵士らを制圧したと主張している。
ヌクルンジザ大統領の上級広報顧問はAFPに対し、「大統領は現在国内にいる」「警備上の理由により、今言えるのはそれだけだ」と明かした。
ブルンジでは数週間前からヌクルンジザ大統領の3選立候補に抗議する街頭デモが相次いでいた。ヌクルンジザ大統領が周辺諸国首脳との会談のため隣国タンザニアにいた13日、前情報機関長官のゴドフロア・ニヨンバレ(Godefroid Niyombare)少将がクーデターを宣言。翌14日には治安部隊内の敵対する派閥同士が国営テレビ・ラジオ施設周辺で衝突し、クーデターの結果は不明なままだった。
国内放送は一時的に中断されたが、大規模な攻勢に出たクーデター部隊を鎮圧部隊が撃退。それに伴い放送も再開された。午後になり放送局長は、「大統領派の部隊が事態を掌握している」と伝えた。
現地のAFP記者は、3人の兵士の遺体が路上に横たわっているのを目撃した。
アフリカの貧困国ブルンジは13年に及ぶ内戦に苦しみ、その間数十万人が犠牲になった。内戦は2006年に終結したものの、今回のクーデター危機により現在も復興の途上にある同国に再び暴力が広がることを危惧する声が上がっている。
国連安全保障理事会(UN Security Council)は14日、この問題に関する緊急会合を開き、クーデターの動きを非難するとともに、法の支配の即時回復を呼び掛けた。
ある外交官がAFPに語ったところによると、会合で状況説明を行った国連(UN)のサイード・ジニット(Said Djinnit)特使はクーデターが成立するのかどうか「いまだ不透明」と語ったという。(c)AFP/Esdras NDIKUMANA