【5月13日 AFP】スウェーデンの平和団体は12日、首都ストックホルム(Stockholm)沖のバルト海(Baltic Sea)の水中に、ロシアの潜水艦の領海侵入を阻止するために「同性愛者はこちらへ」とのメッセージをモールス信号で送るソナー装置を設置したと発表した。

 スウェーデン平和・仲裁協会(Swedish Peace and Arbitration SocietySPAS)が沈めた「歌う水兵(Singing Sailor)」と名付けられたこの装置は、スウェーデンとは違い同性愛を容認しないロシアの潜水艦を遠ざけるべく製作された。

 装置の表側には、白い水兵帽にブリーフ一枚の水兵が腰をくねらせている姿が蛍光ピンクのネオンで浮かび上がり、その下に「1944年からゲイの国、スウェーデンへようこそ」との文字が書かれている。

 1944年はスウェーデンで同性愛が非犯罪化された年だ。一方のロシアでは近年、「同性愛のプロパガンダ(宣伝)」を禁止する法律が成立。人権団体は、同性愛者差別を事実上合法化する法律だと非難し、同国での同性愛者に対する暴力が増加していると警告している。

 SPASはウェブサイト上でソナー装置について、近くを通過するすべての潜水艦に興味深い情報を提供するよう作製したと述べている。

 スウェーデンのストックホルム群島沖では昨年10月、ロシア国籍とみられる外国潜水艦の大規模な捜索が行われた。同軍はその後、「小型潜水艦」が領海を侵犯したと断定したが、潜水艦の国籍は確認できずに終わっている。(c)AFP