【5月13日 AFP】米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は12日、ロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相とそれぞれ4時間、合わせて8時間に及ぶ会談を行った。その後ケリー氏は、ウクライナの不安定な停戦合意が完全に履行されるならばその時点で、欧米がロシアに科している制裁を解除することもあり得るという見解を示した。

 ケリー氏とロシア側の長時間にわたる会談は、黒海(Black Sea)に面したリゾート地ソチ(Sochi)で行われた。話し合いを終えたケリー氏は、世界的な課題に取り組んでいく上で米露の協力が「急務」だと訴えた。

 一方ラブロフ氏も、ウクライナとシリア問題についてケリー氏と協議した後に記者会見し、このソチ会談が「両国の相互理解を深める」ことに寄与したと述べ、「さまざまな領域において、二国間関係の長期的な悪化を招きかねない措置を回避する必要があることを互いに理解している」「特に、現存する多くの喫緊の問題が解決するかどうかは、米露が国際舞台で十分に調整し協働していけるかどうかにかかっているという事実を考慮すればなおさらだ」と述べた。

 またプーチン大統領の外交政策顧問のユーリ・ウシャコフ(Yury Ushakov)氏もこの会談後記者団に対し、「『飛躍的前進』とはいかないまでも、両大国が通常の協力関係に戻ることが必要という理解の兆しが初めて現れた」と一定の評価を示した。(c)AFP