【5月12日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はロシアのソチ(Sochi)で12日に米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官と会談し、ウクライナ問題で緊張が続く中、重要な協議を行うとみられる。

 米国務省は11日、ケリー米国務長官がソチで12日にロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相、プーチン大統領と会談すると発表した。ウクライナ危機の発生以降、ケリー長官がロシアを訪問するのは初めて。プーチン大統領は今週、夏季の公邸があるソチに滞在している。

 ロシアがクリミア(Crimea)半島を併合し、ウクライナ東部の分離独立派への支援を開始したことを受けて米露関係は崩壊したが、緊張状態も1年が過ぎ、ロシアと欧米の双方で雪解けを目指していく準備が整ってきた兆しが見え始めている。

 米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)報道官代行はケリー氏のソチ訪問について、「ロシア高官との直接的な対話ルートを維持し、わが国の見解を明確に伝達していく継続的努力の一環として行う」と説明している。ケリー氏がロシアを訪問するのは2年ぶり。

 一方ロシア外務省は、「ケリー米国務長官のロシア訪問が、世界の安定を大きく左右する露米二国間関係の正常化に寄与してくれることを期待している」とコメントした。

 プーチン氏は、ウクライナ問題における譲歩は一貫して拒否しているものの、欧米が科している厳しい制裁により自国が窮地に立たされる中、欧米との関係改善の用意があることは示唆している。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO