【5月11日 AFP】(一部更新)イエメンのイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力フーシ派(Huthis)は11日、サウジアラビアが主導するアラブ連合軍の戦闘機を撃墜したと発表した。その直前にはモロッコ当局が、出撃していた同軍戦闘機1機が消息を絶ったことを明らかにしていた。

 フーシ派系テレビチャンネル「アルマシラ(Al-Masirah)」は、同勢力が拠点とするイエメン北部のサーダ(Saada)州ワディ・ヌシュル(Wadi Nushur)で、同勢力の防空部隊が戦闘機1機を撃墜したと報道。機体の残がいのそばで喜ぶ集団の映像を放映した。

 同テレビは、機体をF16戦闘機のものとしている。映像では、岩場に横たわる方向舵の残骸に描かれたモロッコ国旗が映し出された。

 モロッコのマグレブ・アラブ通信(MAP)が伝えた軍の声明によると、10日午後6時(日本時間11日午前0時)ごろに戦闘機との交信が途絶えた。編隊飛行していた2番目の戦闘機からは、パイロットが緊急脱出したかどうかは確認できなかったという。

 一方、匿名を条件に取材に応じたサウジ当局関係者は、不明機の行方を捜索中だとし「イエメン国内であることは確かだ。搭乗していたのはパイロット1人だ」と述べている。

 連合軍の戦闘機がイエメン上空で消息を絶ったことが伝えられたのは、3月26日の空爆作戦開始以降、初めて。(c)AFP