【5月11日 AFP】南米パラグアイで、10歳の継娘に性的暴行をはたらいて妊娠させた疑いのある42歳の男が、警察による15日間に及ぶ捜索活動の末、9日に逮捕された。

 逮捕されたヒルベルト・ベニテス(Gilberto Benitez)容疑者(42)は、被害少女の母親に「はめられた」として無実を訴え、「自分でないことを示すために、どんな(親子)鑑定も受ける」「自分は山ほど女性と付き合ってきたが、一人も妊娠させたことはない」などと話している。裁判で有罪となった場合、ベニテス容疑者は15年の実刑を科される可能性がある。

 10歳の少女が強姦(ごうかん)され妊娠した今回の事件によって、パラグアイ議会両院では中絶の是非をめぐる議論が紛糾している。

 ローマ・カトリック教徒が大半を占める保守的なパラグアイでは、母親の生命に危険が及ぶ可能性がある場合を除いて、中絶は違法とされている。現在、少女は妊娠5か月だが、人道団体などは体重34キロの少女の体では妊娠に耐えられず、生命が危険にさらされると主張。一方、政府や裁判所、カトリック教会などは、妊娠中期に入っていることも踏まえ、中絶を行うべきではないとし、主張は対立している。

 少女の妊娠は先月21日、「腫瘍」ではないかと疑った母親が、公共の診療所に少女を連れて行ったことで、初めて発覚した。母親も現在、少女に対する性的虐待を可能にした容疑で、当局に身柄を拘束されている。(c)AFP/Hugo OLAZAR