屋外1600か所で名作絵画を展示、景観美化目指す イラン
このニュースをシェア
【5月11日 AFP】交通渋滞の激しいイランの首都テヘラン(Tehran)では、移動に数時間を要することも日常茶飯事だが、その交通渋滞によるイライラを解消してくれるような企画が現在行われている──有名絵画をモチーフにしたポスターの掲示だ。
ポスターが掲げられているのは、道路沿いに設置された広告用の掲示板。これらは通常、最新型スマートフォンや家電製品、銀行や保険の新プランなど、商品の広告向け使われているものだが、都市景観の美化を目指す大規模な政策の下、有名画家作品のポスターが16日まで掲げられることになった。
6日から始まった「A Gallery as Big as a Town(ギャラリーは街ほどの大きさ)」と題された同プロジェクト。いつもと違う風景に多くの人が驚いた様子だった。
市内約1600か所に掲げられたのは、ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)の「ひまわり」やエドバルト・ムンク(Edvard Munch)の「叫び」、アンリ・マティス(Henry Matisse)の「青い窓」などのいわゆる西洋美術作品やアジア地域からの作品約200点のほか、イラン人作家のものも約500点あった。
作品はすべて文化省の承認が必要とされ、同国で禁止されている裸体画や、反イスラム教的とみなされる作品は除外された。また、アートの展示を歓迎する声がある一方、同市では死亡事故が多発している他、ルールを守らないドライバーが増えているとされ、同企画がもたらす危険性を指摘する意見も聞かれた。(c)AFP/Siavosh Ghazi