核兵器情報を中国などに売ろうとした米政府の元職員を起訴
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【5月10日 AFP】米エネルギー省のコンピューターから米政府の核兵器関連の情報を盗み出し、イラン、中国、ベネズエラに売ろうとしたとして米連邦捜査局(FBI)のおとり捜査で逮捕されていた同省の元職員が起訴された。複数の米当局者が8日、明らかにした。
起訴されたのはチャールズ・ハービー・エクレストン(Charles Harvey Eccleston)被告(62)。米原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission、NRC)でも働いていた。宣誓供述書によると、同被告が外国の大使館に出向いて機密情報を提供すると申し出た後にFBIはおとり捜査を始めていた。
エクレストン被告は、国名が明らかにされていないある国の政府当局者のふりをしたFBIのおとり捜査員に、秘密の核関連情報を盗み出すのに使うマルウエアを仕込んだメールを作って米エネルギー省の職員に送りつける「スピアフィッシング」という手法を使うことを提案し、金と引き換えに機密情報を提供すると申し出ていた。
AFPが見たFBIの文書によると、A国が米政府の情報に興味がないとしたらどうするかと聞かれた被告は、「その情報に関心を示すであろう中国、イラン、ベネズエラに声をかける」と語っていたという。
エクレストン被告は米国民だが、2010年に「業務成績と素行の問題」で解雇され、2011年からフィリピンのダバオ(Davao)市で暮らしていた。今年3月27日にフィリピンのマニラ(Manila)でフィリピン当局によって逮捕され、その後米国に送還された同被告は4つの罪に問われており、最大で禁錮50年の刑を受ける可能性がある。(c)AFP