【5月10日 AFP】モスクワ(Moscow)市内で9日、旧ソ連の対ナチス・ドイツ(Nazis)戦勝70年を記念する軍事パレードの後、「不死身の連隊(Immortal Regiment)」と銘打たれた市民の祝賀行進が行われ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)政権下で行われた行進としては過去最大となる50万人規模の参加者を集めた。

 政治的立場の違いを超えてロシア人が結束を示すのは珍しく、参加者らは第2次世界大戦(World War II)で戦った親族の肖像写真を掲げながら、モスクワ市内中心部から赤の広場(Red Square)まで歩いた。大勢が笑顔を見せるなど行進は祝賀ムードに包まれ、子どもを肩車した親子連れや歓声を上げる参加者もみられた。プーチン大統領本人も、父親の写真を手に行進に加わった。

 警察発表によると、参加者数は50万人余りで予想を大幅に上回った。主催者は、モスクワ以外の国内各地でも同様の行進が行われ、約100万人が参加したと述べた。

 第2次世界大戦(World War II)で死亡した旧ソ連兵および住民は推計2700万人と他のどの国よりも多く、史上最も多くの死亡者を出したこの戦争での旧ソ連軍の勝利はロシアの大きな誇りとなっている。近親者にこの戦争による戦死者や行方不明者がいるとするロシア人は全体の70%を超えており、戦勝記念日は国民を結束させる心のよりどころになっている。

 戦時中、ロシアと連合国を形成していた米国や英国、フランスを中心とする西側諸国は、この日の祝賀行事を軒並み欠席。ロシア政府のウクライナ介入に対する報復とみられている。(c)AFP/Olga ROTENBERG