【5月8日 AFP】米軍が「穏健派」のシリア反体制勢力に対する軍事訓練をヨルダンで開始したことが7日、明らかになった。シリア国内でイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と戦う部隊として育成する狙いで、数か月かけて訓練対象の選定を行ったという。

 アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官は記者会見で、「一個中隊規模の一団、約90人が訓練を受けている」「次のグループの訓練も来週中に開始する予定だ」と述べた。

 米軍によるシリア反体制派への基礎軍事訓練計画は当初の予定から大幅に遅れている。米高官によると今後、トルコ、サウジアラビア、カタールでも同様の訓練を行い、米空軍が要請に応じて反体制派を支援する方針だ。

 米国と有志連合はISに対する空爆をイラクで昨年8月に、シリアで同9月に開始した。イラクでは有志連合が政府軍とクルド人部隊の対IS戦を支援しているが、シリアではISと戦う地上部隊が少ない上、 バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権と戦う反体制派がISのように過激化する恐れも懸念されている。

 カーター米国防長官は、最初に訓練を開始したグループについて「綿密な調査を受けた個人」で構成されており、安全な場所で訓練を受けていると説明。訓練では「国際法に従って行動すること」を明確に指導していると強調した。(c)AFP/ Daniel DE LUCE