気候変動で生物種6分の1に絶滅リスク、米研究
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【5月1日 AFP】気候変動による影響で生物種の約6分の1が絶滅の危機に直面する可能性があるとした研究論文が1日、発表された。
1日の米科学誌「サイエンス(Science)」電子版に発表された論文によると、地球の温度が4度上昇すると、世界規模で膨大な数の種に影響が及ぶという。
研究論文は米コネティカット大学(University of Connecticut)のマーク・アーバン(Mark Urban)氏(生態学と進化生物学)が執筆した。同氏は、気候変動が世界の動植物に与える影響についての、これまでの研究131件を分析・評価している。
論文では、温度の上昇とともに、危険にさらされる種の数も増えていくと結論付けられた。地球の温度が2度上昇すると、危険にさらされる種は5.2%、3度の上昇では8.5%と全体に占める割合も増加する。 研究結果によると、(4.3度の上昇につながる)現在のペースのままでは、生物種の6分の1(16%)が危険に直面する可能性があるという。
論文ではまた、気候変動による影響の度合いは地域ごとに異なるとの結果も導き出されている。
アーバン氏によると、「リスクが一番高かったのは南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドで、分類群による変化は見られなかった」という。
絶滅の危機にひんする可能性がある種は、一番脆弱(ぜいじゃく)な地域とされた南アフリカで23%、ニュージーランドとオーストラリアで14%、欧州は5%、北米は6%となっている。(c)AFP/ Jean-Louis SANTINI