【4月29日 AFP】アフガニスタン北東部バダフシャン(Badakhshan)州の山間部の村で28日、地滑りが発生し、主に女性と子供の少なくとも52人が死亡した恐れがあると当局が発表した。

 この地滑りで数十軒の家屋が土砂に埋まった。この地域では1年ほど前にも豪雨により地滑りが発生し、少なくとも300人が死亡している。

 同州の副知事はAFPに対し、今回の地滑りによる行方不明者には少なくとも女性25人、子ども22人が含まれていると明らかにするとともに、「政府に支援を要請したところ、救援活動のためヘリコプター2機を派遣してくれることになっている」と語った。副知事によると、地滑りがあった地区はタジキスタン国境に近く、この地区に通じる道路は1年のうち6か月も閉鎖されるという辺境の地にあるため、救援活動は難航することが予想される。

 アフガニスタン北部は春の雨期になると頻繁に洪水や地滑りに見舞われる。もろい泥壁の家屋は洪水や泥流にはほとんど耐えられない。アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は毎年春から夏にかけて攻勢に出るが、今年は過去10年間で特に激しい戦闘になると予想されている。今回のような大規模な自然災害が発生すると、アフガニスタンが抱える課題の大きさが改めて浮き彫りになる。(c)AFP