【4月27日 AFP】米国の五輪金メダリストで、その後リアリティー番組に出演して人気を得たブルース・ジェンナー(Bruce Jenner)氏(65)が、自身はトランスジェンダー(性別越境者)であり、性別を男性から女性に移行途中であることを公表した。長く飛び交っていた噂を認めた形だが、芸能人や性的少数者の支援団体からは、同氏の決断を称賛する声が上がっている。

 米ABCテレビが25日に放映した著名アンカー、ダイアン・ソイヤー(Diane Sawyer)氏との2時間におよぶインタビューで、ジェンナー氏は幼少時代から「ずっと自分の性別について戸惑いを感じていた」と告白。自分を女性だと思うのかとの単刀直入な質問に対しては「はい。どの点からみても、私は女性です」と答えた。

 1949年にニューヨーク(New York)郊外で生まれたジェンナー氏は、1976年のモントリオール(Montreal)夏季五輪の十種競技で世界新を記録し、金メダルを獲得。その後、俳優に転向したが、成功にはいたらなかった。

 だがジェンナー氏は、自身3度目となったクリス・ジェンナー(Kris Jenner)さん(旧姓カーダシアン)との結婚を通じて出演したリアリティー番組「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ(Keeping Up with the Kardashians)」でお茶の間に再び知られるようになった。番組では、キム(Kim Kardashian)、コートニー(Kourtney Kardashian)、クロエ(Khloe Kardashian)の義理娘3人のはでやかな言動に時に困惑する父親としての姿を見せていた。

 人気セレブタレントのキム・カーダシアンさんは、ツイッター(Twitter)に「愛とは、最も偽りのない最高の自分の姿を生きる勇気のこと。ブルースは愛であり、私はブルースを愛しています。#ProudDaughter(父を誇りに思う娘)」と投稿し、義理の父親であるジェンナー氏を称賛。さらに前妻のクリスさんや他の子どもたちも、この公表を歓迎する暖かいコメントを発表している。(c)AFP/Michael THURSTON