【4月26日 AFP】米メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)で25日、黒人青年のフレディ・グレイ(Freddie Gray)さんが警察に取り押さえられた際に頸部(けいぶ)を負傷して死亡したことに抗議する大規模な集会が行われたが、一部の参加者が暴徒化し、警察車両や商店の窓を破壊した。

 グレイさんは低所得者が集中する市内西側で拘束された際に脊髄を損傷し、その1週間後の19日に死亡した。25日の抗議集会は約1時間半にわたってボルティモア市役所で行われ、正義の実現を求めて1000人余りが参加したが、ここでは混乱はなかった。

 しかし参加者の一部がカムデン・ヤーズ(Camden Yards)球場に移動してから、状況は一変。地元テレビ局がヘリコプターで上空から撮影した生中継映像によると、スポーツ・レジェンド博物館(Sports Legends Museum)と同球場のチケット売り場の横で、若者の集団が警官隊に炭酸飲料のボトルやごみ箱を投げつけていた。

 同球場は米大リーグのボルティモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)対ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の試合開始を1時間後に控えていた。

 ボルティモア警察は短文投稿サイトのツイッター(Twitter)で「抗議者らが窓を破壊し、われわれに向かって物を投げつけている」と述べ、群衆に自制を呼びかけていることを明らかにした。米CBS系列局WBALによると、商店の窓が破壊されたり、交差点がふさがれたりするといった騒ぎが確認されており、車を運転中の女性に窓から飛び込んできた石が当たる事態も発生したという。

 グレイさんの死をめぐっては警官6人が有給の停職処分となった。警察が捜査結果をメリーランド州検察に提出する期限は来月1日に迫っている。検察当局は捜査結果を踏まえ、起訴するかどうか判断することになっている。(c)AFP