【4月24日 AFP】国際自転車競技連合(UCI)は23日、相次ぐドーピング問題に揺れるアスタナ(Astana Pro Team)に対し、ワールドツアーライセンスの継続を認める裁定を下した。

 2月下旬にUCIがアスタナのワールドツアーライセンス取り消しを要求し、チームはツール・ド・フランス(Tour de France)をはじめ、ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia)やブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana)といった主要国際レースへの出場が危ぶまれていたが、独立委員会は、アスタナとUCIの代表者によるこの日の会談後に、アスタナがレースに出場し続けることを容認した。

 アスタナは声明で、今回の裁定に満足しており、今はただレースに集中したいと発表している。

「アスタナ・プロ・チームは、UCIの倫理基準を順守するというチームの誓約書を提出する機会を与えてくれたライセンス委員会に感謝している。アスタナ・プロ・チームは、ローザンヌ大学スポーツ科学研究所(Institute of Sport Sciences of the University of Lausanne、ISSL)のあらゆる提案を尊重することを約束する。やっと今、われわれの意識の中心はレースに戻った」

 ただし、アスタナの疑惑は今でも完全には払拭(ふっしょく)されておらず、シーズンを通して厳しい監視下に置かれることになる。

 UCIは声明で、「チームのライセンスは厳しく監視されることになる。この監視は、ISSLがライセンス委員会に提出したリポートに基づいて実行されることになる。もしアスタナ・プロ・チームが課された条件を一つでも満たすことができなかったり、新たな問題が持ち上がったりすれば、ライセンス委員会は当然(ライセンス取り消しの)手続きを再開することができる」と発表している。

 今回の決定により、アスタナに所属する昨年のツール・ド・フランス(2014 Tour de France)の覇者ヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)の大会連覇への道が開かれた。(c)AFP