生後100分で死亡の新生児から臓器提供、英最年少
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【4月24日 AFP】英国で、生後わずか100分で死亡した新生児の腎臓と心臓弁が成人患者に移植されていたことを英国民保健サービス(National Health Service、NHS)が23日、明らかにした。同国における臓器提供で最年少という。
英国の最年少ドナー(臓器提供者)となったのは、昨年4月22日にウェールズ(Wales)のカーディフ(Cardiff)で双子として生まれたテディ・ホールストン(Teddy Houlston)くん。母親のジェス・エバンス(Jess Evans)さん(28)と父親のマイク・ホールストン(Mike Houlston)さん(30)は、すでにジェスさんの妊娠中からテディくんが脳と頭蓋骨の一部が欠如した無脳症で、生後も長く生きられないと知らされていた。臓器提供の経緯はテディくんの死から1年たった23日になって初めて、NHSによる臓器提供推進キャンペーンの一環として明らかにされた。
ジェスさんは公表されたコメントのなかで「テディが無脳症だと診断されて、これから起こり得ることを受け入れるまでには、しばらく時間が必要だった。その結果、私たちは早い段階から家族としてテディを出産し臓器提供を願い出ようと決めた」と説明。「最愛の人の一部が他の人の中で生きていると思い、慰めになる。テディの命は重要な役目を果たした」と語った。
マイクさんも英大衆紙デーリー・ミラー(Daily Mirror)に、息子は「英雄として生きて旅立った。私たちは言葉では言い表せないほど、テディを誇りに思う」と述べ、自分たちの経験が他の人々にも勇気を与え、臓器提供に関するあらゆるタブーをすべて打破する助けとなってほしいと話した。
胎児の腎臓が機能し始めるのは妊娠37週目からで、テディくんの腎臓は成人の腎不全患者に移植された。この患者は回復し、ジェスさんとマイクさんと手紙のやり取りをしているという。
英国ではこの10年間、2歳未満の幼児39人が臓器提供者となった。NHSによれば、現在、英国で臓器移植の順番を待つ患者リストには7000人以上が名を連ねているという。(c)AFP