ステゴサウルスの背板の形、雌雄で違った可能性 研究
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【4月23日 AFP】はるか昔に絶滅した4本足の草食恐竜ステゴサウルスの背中に並ぶ板状の骨の形は、雄と雌で異なっていた可能性があるとの研究結果が22日、米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された。
約1億5000万年前の地球に生息していたステゴサウルスの背中には、2列の皮骨板(ひこつばん)があった。論文によると、雄の骨板は丸みをおびた形で、雌は縦長だった可能性が高いという。
恐竜に近縁な種である鳥類には、羽の色や尾の形が雄と雌で異なる「雌雄二形性(性的二形)」という特徴が顕著にみられる。しかし、絶滅した生物でこうした違いを確認するのは困難とされてきた。
論文主執筆者の英ブリストル大学(University of Bristol)のエバン・サイッタ(Evan Saitta)氏は、「恐竜に雌雄二形性があったという説得力の高い証拠が初めて得られた」との見方を示している。
サイッタ氏は、米モンタナ(Montana)州で見つかったステゴサウルスの化石を数年にわたり調査。骨板の化石に先端のとがった細長い形状のものと、それより約45%大きい幅広い形状のものがあるのは、種の違いではなく、雌雄の違いによるとの仮説を立てた。
この形状の違いが成長段階の差を示しているわけではないことは、どちらの形の骨板も骨組織の成長が止まっているのをCTスキャンで確認した。
「雄には通常、自身を飾り立てることに注力する傾向があることから、大きくて幅の広い骨板は雄の可能性が高い。幅広の骨板は、交尾相手の雌の気を引くためのものだったのだろう」とサイッタ氏は説明。雌については「縦長の骨板が、とげのように機能して天敵をけん制していたのかもしれない」と述べた。(c)AFP