【4月22日 AFP】韓国政府は22日、昨年4月に同国南西部の珍島(Jindo)沖で沈没した旅客船セウォル(Sewol)号の船体引き揚げを正式に決定した。同船の沈没事故は300人以上の死者・不明者を出し、そのほとんどが修学旅行中の高校生だった。

 国民安全庁は22日、引き揚げ作業は9月に開始されるだろうと発表。作業には長ければ約1年半かかる見通しで、その費用は9000万ドル(約108億円)~1億4000万ドル(約168億円)と推定されている。早急に海洋水産省が引き揚げ業者の選定入札を実施するという。

 セウォル号の船体引き揚げは遺族らが強く求めており、16日で事故から1年を迎え、遺族らはこの数週間、要求を強く訴える大規模な抗議デモを展開している。デモでは遺族ら参加者と警官隊が衝突し、警察が放水銃や催涙スプレーを使用する事態となった。

 事故対応の不手際を非難されるなどして支持率が急落した朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は事故1年にあたって先週、「可能な限り早い日程で(セウォル号の)船体引き揚げに必要な手続きを取る」と約束していた。(c)AFP