【4月22日 AFP】スウェーデンは21日、世界初となる遠隔式の航空管制施設を、北部のエルンシェルツビク(Ornskoldsvik)空港に開設した。航空管制当局が同日発表した。

 スウェーデンの航空管制業務公社(LFV)はツイッター(Twitter)で、現地時間21日正午(日本時間同日午後7時)頃の着陸前に航空機から撮影した写真とともに「世界初の遠隔式管制サービスによる着陸だ」とのコメントを発表した。

 航空機は同国スンスバル(Sundsvall)から、北方約150キロのエルンシェルツビクまで飛行した。離陸と着陸は、ともにスンスバルにある航空管制施設の誘導で行われた。

 LFVによると、エルンシェルツビクの遠隔管制施設は、カメラとセンサーを使ってリアルタイムで情報を収集し、その情報をスンスバルの航空管制官に中継しているという。

 LFVの広報責任者、エリザベート・リンドグレーン(Elisabeth Lindgren)氏は、スウェーデンの公共ラジオ局、SRラジオ(SR Radio)で「われわれは世界で初めて、遠隔式の管制施設を(エルンシェルツビクに)開設した。(今回のフライトでは)航空機のパイロットらが交信したのは、スンスバルの管制塔だった」と述べた。パイロットと管制塔との交信は滞りなく行われたという。

 LFVは声明を発表し「最新技術を採用で、航空管制は従来の管制塔でのものと同様に実施された」と述べている。

 今回のフライトに搭乗した乗客50人の1人、SRラジオの記者は、同局の中継で「全く何事もなかった」と、着陸後に笑顔で話した。「思わず肘掛けをぎゅっと握ってしまったが、何の問題もなかった。私の理解が正しければ、パイロットにとって普段と何も変わりはなかったのでは」と記者は続けている。

 今回の2空港は「地理的な理由」から選ばれたとリンドグレーン氏は述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。遠隔管制技術は、スウェーデン国内の他の空港にも段階的に導入される見込みという。(c)AFP