【4月22日 AFP】(写真追加)2013年4月の米ボストン・マラソン(Boston Marathon)爆破事件の実行犯として有罪評決が下ったジョハル・ツァルナエフ(Dzhokhar Tsarnaev)被告(21)に対する量刑審理が21日、米マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)の連邦地裁で始まった。検察側は、2001年9月11日の米同時多発テロ事件以降に米本土で発生した中で最悪規模の事件を起こした同被告を「わが国最悪の悪夢」と呼び、死刑を求刑した。

 法廷では同日、これまで未公開だったツァルナエフ被告の写真が提示された。そこには最初の罪状認否の前に、オレンジ色の囚人服を着て独房の監視カメラに向かい、中指を立てている同被告の姿が写っていた。

 量刑審理の冒頭陳述に当たり連邦検事補はこの写真を見せながら、「これがジョハル・ツァルナエフだ。無神経で、悔悟の念も心境の変化も見受けられない」と指摘した。

 同連邦検事補は陪審団に対し、「事件を計画し作戦を練ったのが同被告である以上、死刑が妥当」であり、さらに「被告の性格からも死刑がふさわしい」と訴えた。

 また同連邦検事補は、事件の犠牲者らの生前の写真も紹介。その幸せで元気そうな姿を見せながら、「耐え難い、言葉で言い表せない、無分別な」あの日の攻撃が、同被告とそのねじ曲がった過激なイデオロギーが「必ずや米国の最悪の悪夢になることを証明している」と述べた。

 量刑審理初日を迎えた連邦裁判所の法廷内には、大勢の人が詰め掛けた。評議を行うのは今月8日に有罪評決を下したのと同じ12人からなる陪審団で、審理はまず判事が陪審団に対する注意事項を伝えることから始まった。

 同州では1947年以来死刑は執行されておらず、キリスト教カトリックの司教らが死刑に反対している。今回の陪審員の選任に当たっては、死刑に対しても柔軟な考えを持っていることが一つの条件になった。

 全陪審員の意見が一致しなければ、死刑評決は出されない。一人でも同被告に軽減事由を認めれば、同被告は終身刑となる。

 量刑審理は3~4週間続く見通し。この間検察・弁護側双方が、証人尋問を行うことになっている。(c)AFP/Brigitte DUSSEAU