【4月22日 AFP】サウジアラビア主導のアラブ連合軍は21日、イエメンで約4週間前から実施してきたイスラム教シーア派(Shiite)系武装組織フーシ派(Huthis)に対する空爆を終了すると宣言した。その理由として、イランの支援を受けているフーシ派の脅威を排除できたことと、イエメン情勢への対応が政治的な段階に入りつつあることを挙げた。

 しかしフーシ派の動向次第では攻撃を再開する選択肢もあるとしている。またアラビア半島(Arabian Peninsula)の先端にある戦略上重要なイエメン沖の海上封鎖は継続するとしている。

 アラブ連合軍はフーシ派に対する空爆の目的として、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansur Hadi)暫定大統領の権力の回復を掲げていた。ハディ氏は先にイエメン南部のアデン(Aden)に避難していたが、反政府勢力が進撃したためサウジアラビアのリヤド(Riyadh)に逃れた。

 連合軍はこれまでに2000回以上空爆を実施し、イエメンの制空権を確保するとともの、フーシ派のインフラを壊滅させたとしている。

 シーア派のイランはこの攻撃終了宣言を、紛争の解決に向けた「前進」と位置付けて歓迎した。一方フーシ派は、直ちに反応を示していない。

 イエメンは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian PeninsulaAQAP)」の拠点となっている。連合軍が出した声明によると次のステップは、救援物資を届け国内の「テロと戦い」ながら、イエメンの政治プロセスの再開を目指すものになるとしている。(c)AFP/Ian Timberlake with Lynne al-Nahhas in Dubai