【4月20日 AFP】米メリーランド(Maryland)州ボルティモア(Baltimore)で1週間前に警察に取り押さえられた際に頸部(けいぶ)を負傷していた黒人青年が19日に死亡したことがわかり、地元では詳細な調査を求める抗議行動が巻き起こっている。

 米国では白人警官による黒人容疑者致死・殺害事件が相次いでおり、警察官の人種偏見と暴力が問題となっている。

 地元警察やメディアによると、死亡したのはフレディ・グレイ(Freddie Gray)さん(25)。グレイさんは12日、何らかの理由で路上で警察官に身柄を拘束されたが、その際に脊椎を骨折した。地元紙ボルティモア・サン(Baltimore Sun)によれば、警察はグレイさんの逮捕や負傷の理由を公表していない。

 ボルティモア・サンが伝えたグレイさんの家族の弁護士の話によると、グレイさんは黒人で、かつ走っていたというだけで、なんら正当な逮捕理由がないにもかかわらず勾留されていた。弁護士は、首の脊椎が「80%切断された状態」にあったと述べた。

 グレイさんの死をうけ、警察署前には地元住民や活動家およそ100人が詰めかけ情報の公開を求めた。ボルティモアのステファニー・ローリングスブレイク(Stephanie Rawlings-Blake)市長は記者会見で、現在、経緯を調査中だと説明した。(c)AFP