【4月20日 AFP】南アフリカ政府は19日、移民や外国人労働者を標的とした襲撃事件が国内で相次ぎこれまでに7人が死亡した問題で、307人を逮捕したと発表するとともに、襲撃に関与した者を徹底追及する方針を示した。

 南アフリカではこの2週間にわたり、ヨハネスブルク(Johannesburg)や東部の沿岸都市ダーバン(Durban)を中心に暴動や商店への襲撃が続き、南アフリカ人とジンバブエやソマリア、エチオピア、マラウイなどからの移民たちとの間に内在していた緊張が表面化している。

 政府が暴動への対応を強化する中、マルシ・ギガバ(Malusi Gigaba)内相は「南アフリカを政治的混乱に陥れようと企むあらゆる行為」をやめさせるため全力を尽くすと言明した。

 国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for RefugeesUNHCR)によると、外国人排斥を掲げた一連の襲撃を受け、UNHCRの仮設避難所には約5000人が助けを求めて集まっている。大半は戦争や迫害のため祖国を離れた難民だという。

 南アフリカでは、アパルトヘイト(人種隔離政策)が廃止され白人支配が終わった1994年以降も慢性的な失業状態に置かれ、生活苦からなかなか脱出できない黒人たちの不満の矛先がしばしば外国人移民に向けられてきた。2008年にも移民排斥運動で68人が死亡し、異なる民族間の平等をうたった「虹の国」のイメージを揺るがしている。(c)AFP/Kristen VAN SCHIE