【4月20日 AFP】米連邦捜査局(FBI)は19日、犯罪事件の裁判で有罪判決を得るために提出した鑑識結果に「誤り」が含まれる事例が数年間にわたり繰り返されていたことを認める声明を発表した。該当の裁判には、被告に死刑判決が出されたものも複数含まれている。

 監査総監室(Inspector General's OfficeOIG)は昨年7月、FBI鑑識部における「不正行為」を調査した結果、少なくとも死刑判決が下された60件の裁判で欠陥のある鑑識結果が用いられていたことが分かったと発表。このうち3件の被告には既に死刑が執行されたとしていた。

 FBIは19日の声明で、証拠や検査報告としてFBI鑑識官が提出した毛髪顕微分析の内容に誤りがあったことを認めた上で、現在はこうした誤りは行われていないと説明。該当の裁判の被告に対しては誤りを通知し、「全ての例で公正に対処する」と言明した。

 また、同日付の米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は、誤った証拠により有罪判決を受けた受刑者たちの釈放運動を行っている全米刑事事件弁護士協会(National Association of Criminal Defense LawyersNACDL)がまとめたデータを引用し、見直し対象となった公判268件のうち95%以上で問題のある鑑識結果が提出されていたと報道。ほぼすべての裁判で、欠陥のあるFBI鑑識結果の提出が20年以上行われていたと伝えている。(c)AFP