セウォル号沈没事故の遺族がデモ、警官隊と衝突 韓国・ソウル
このニュースをシェア
【4月19日 AFP】韓国・ソウル(Seoul)で18日、昨年4月に韓国南部で発生し修学旅行中の高校生など304人の死亡・行方不明者を出した旅客船セウォル(Sewol)号沈没事故の犠牲者の遺族らが、政府の対応に抗議するデモ行進を行い、警官隊と衝突した。
約3000人の群衆が、近くで2日間の座り込みを続けていた約50家族に合流しようと警察が設置したバリケードを突破した。警官隊は催涙スプレーと放水銃を使用した他、群衆の最前列にいた人たちとパンチとキックの応酬を繰り広げた。デモ参加者らは「セウォル号を引き揚げろ」というシュプレヒコールを上げていた。これに先立ち、警察が数人のデモ参加者を警察車両に押し込む光景も見られた。
遺族らは、沈没事故を調べる独立調査委員会を設置しようとしない政府の対応に抗議するため、韓国大統領府(青瓦台、Blue House)に向けてデモ行進をしようとしたが、警官隊に行く手を阻まれた。
セウォル号の船体引き揚げを求めるデモが数週間にわたって続いたことを受けて、朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は16日、現在も行方不明になっている9人を見つけるためセウォル号を引き揚げると約束したが、引き揚げは技術的に困難な上、1億1000万ドル(約130億円)程度の費用がかかるとみられている。(c)AFP