海戦を変革するか、ロボット兵器が握る米海軍の未来
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【4月17日 AFP】航空戦の概念を覆したロボット技術が、近い将来、海の中にも革命をもたらすことになりそうだ。海中に潜む「スパイ衛星」に、無人機を発射する海底ポッド、対潜水艦無人船舶――米軍の研究機関は3月末、空と陸に続いて海の戦術を一変させるだろう画期的な新技術の開発計画を発表した。
構想が明らかにされた新システムの1つに、海底に設置する無人機の格納ポッドがある。米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、DARPA)のジャレッド・アダムス(Jared Adams)報道官によると、必要に応じて自動的に作動し、無人機を海中や上空に発射したり、米軍が電波妨害を受けたときに臨時の通信回線を立ち上げたりできるという。
「開発の動機は、無人システムを遠隔地にタイムリーに展開できるようにすることだ。前もって配備しておけば、有事の際にすぐさま出動させられる」と、アダムス報道官はAFPに説明した。
「UPF(Upward Falling Payloads)」と呼ばれる同プロジェクトでは、海面までポッドを浮かび上がらせ、さまざまな搭載機器を発射する。現在は潜水艦が担っている任務の一部を、より低コストで肩代わりできるという。
米国の技術的優位性が縮小する中、研究者たちは今、新技術の開発に延々と時間をかける米国防総省の従来のやり方を捨て、短期開発・実用化の方法を模索している。
DARPAは、新兵器の開発をより迅速に、かつ「高い費用効率」で行うにはどうしたらよいかを検討していると、スティーブ・ウォーカー(Steven Walker)副局長は言う。「今日の米軍のシステムの中には、世界一の有能性を誇るものが幾つもある。だが、こうしたシステムは非常に複雑なうえ、コストは高額で、技術開発と実用化に長時間を要する」
とはいえ、UPFプログラムの海底ポッドもまだ、発射システムの作動方法や海面への上昇手段、海底へ1年以上にわたって動力を供給する方法など、数々の難題を抱えているとウォーカー副局長は指摘した。