【4月16日 AFP】昨年5月トルコ西部ソマ(Soma)で起き、同国で起きた産業災害としては史上最悪の301人が死亡した炭鉱爆発事故の公判が今週、始まった。検察側は、殺人罪に問われている炭鉱運営会社ソマ・コムール(Soma Komur)の当時の幹部8人に対し、禁錮数千年を求刑している。

 起訴された被告は合わせて45人。公判は13日に始まったが、当時最高経営責任者(CEO)だったジャン・ギュルカン(Can Gurkan)被告や部長のラマザン・ドール(Ramazan Dogru)被告を含む8人は、保安上の理由により当初出廷しなかった。

 これに犠牲者の遺族らは激怒。判事は直ちに休廷を発表し、被告8人に15日の出廷を命じた。警察によると、この日8人は250人の治安部隊に保護されながら、裏口から法廷内に入った。裁判所付近には、警備のため治安部隊約3000人が動員されたという。

 ギュルカン被告は冒頭意見陳述で、「私は技師や技術者でもなければ、労働安全専門家でもない。一役員にすぎず、専門技術を持ち合わせていないため事故の責任は負えない」と述べ、炭鉱内の安全問題は自分の非ではないと訴えた。

 検察側は、変圧器の横に放置された石炭の山に火が付いて火災が発生し、作業員らはそこから発生したガスや有害な煙を吸い込んで死亡したとしている。

 起訴状によると検察側は8人の各被告に対し、301人の犠牲者一人につき25年、計7525年の禁錮を求刑。さらに160人を超える負傷者についても、それぞれ3年ずつの刑期を求めていくとしている。(c)AFP