【4月14日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」が率いるシリア反体制勢力は13日夜、北部アレッポ(Aleppo)にある政府軍の情報基地に対する激しい攻勢を開始した。

 アルヌスラ戦線は他のイスラム過激派と共に、アレッポ西部にある空軍情報本部に近いトンネルで大規模な爆発を起こした。

 英国に拠点を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、「大規模な爆発」に続き、反体制勢力が同情報本部を襲撃し、「激しい戦闘」になったという。

 ラフマン氏によると、政府軍は今のところ過激派が本部内へ侵入するのを阻止しているが、戦闘は続いている。シリアのある治安当局者はAFPに対し、同基地付近のトンネルで爆発があったことは認めたが、政府軍が「襲撃を阻止し、今は完全に静かになっている」と話した。

 アレッポ内で政府軍の支配下にある地区の住民は、まず「大きな爆発音」を聞いた後に、銃声が続いたと語った。今のところ、死傷者は報告されていない。ラフマン氏によると、爆発の後、過激派が政府軍に迫撃砲で攻撃。これに政府支持派が報復し、政府軍も戦闘機で過激派の複数の拠点を空爆した。

 アルヌスラ戦線などの反体制派グループはおよそ1か月前にも、同様の戦術を用いて同じ情報本部を襲撃、数十人が死亡した。その時も、まずトンネルで爆発を起こし、その後に軍基地を攻撃していた。政府軍が支配する地区に向けて堀ったトンネルの先端を爆破する戦略は、特にアレッポでは反体制派の常套手段となっている。

 アレッポでは前日の12日、学校が政府軍の空爆を受け、子ども5人が死亡。シリア人権監視団によると、同市の反体制派教育当局はこれを受け、今週末まで市内の反体制派掌握地域の学校を閉鎖することを決めた。(c)AFP/Maya Gebeily