【4月11日 AFP】米カリフォルニア(California)州で警察活動を担っている郡保安官代理10人が、馬で逃げた容疑者を拘束する際に殴る蹴るの激しい暴行を加えていたことがテレビ局の撮影映像で発覚し、保安官代理らは10日、停職処分となった。

 現地テレビ局KNBCのニュース班が撮影した映像によると、容疑者は13回蹴られ、37回殴られ、警棒を4回打ち付けられていた。

 10日に会見した同州サンバーナーディーノ(San Bernardino)郡のジョン・マクマホン(John McMahon)保安官は、これまでにも公務執行妨害や動物虐待などの犯罪歴があった白人男性のフランシス・ジャレド・プソック(Francis Jared Pusok)容疑者(30)が保安官代理たちに殴られている映像を見て「気分が悪くなった」と述べた。

 マクマホン保安官によれば、10人は停職処分となり、現在行われている捜査の結果を受けて現地検察当局が起訴するかどうかを判断する。

 同郡保安官事務所によると問題の逮捕時、個人情報窃盗容疑で逮捕令状が出ていたプソック容疑者は走って逃走した途中で馬を盗み、逃走を続けた。動画ではその後、テーザー銃で撃たれて落馬したように見える。そこへ保安官代理たちが暴行を加えた。

 プソック容疑者は病院へ搬送されるまで、45分間にわたって地面に倒れたまま放置されていたとKNBCは報じている。また保安官代理も2人が脱水症、1人が馬に蹴られて治療を受けた。

 米国では今月4日、サウスカロライナ(South Carolina)州で武器を持っていなかった黒人男性を白人警察官が射殺し、警察官は今週起訴されたが、この事件の一部始終も撮影映像が公開されて発覚した。(c)AFP