ハッキング被害の仏テレビ局、18時間後に完全復旧
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【4月10日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」を名乗る集団によって「前代未聞の」ハッキング被害に遭った仏テレビ局「TV5モンド(TV5Monde)」は9日、ハッキング開始から18時間後にようやく完全復旧した。このサイバー攻撃で同局は放送中断を余儀なくされ、ウェブサイトやソーシャルメディアのアカウントも乗っ取られていた。
当局はこのハッキング攻撃について、「テロ行為」だったとみられると明かすとともに、さらなる攻撃がないとも言い切れないとして全メディアに対し「油断しない」よう呼び掛けた。
ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相は、パリ(Paris)を拠点に世界200か国以上で放送されている同局が一時閉鎖に追い込まれたことについて、「テロ行為を示唆する要素が多い」と述べた。
同局は9日、ほぼ終日にわたって事前収録された番組しか放送できなかった。イブ・ビゴ(Yves Bigot)社長は、「テレビ史上前代未聞の」サイバー攻撃だったとしている。
これを受けてマニュエル・バルス(Manuel Valls)首相は、「情報と表現の自由に対する容認できない攻撃」だったと断じ、「編集スタッフとの完全な連帯」を誓った。ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相は、「実行犯らを見つけ出して処罰し、プログラムを再構築し、表現の自由を脅かす今後起こりかねないサイバーテロを阻止していくため、あらゆる手を尽くしている」と発表した。
このハッカー集団は先に、「何の意義もない戦争」に加担するという「許し難い過ち」を犯したとして、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領を糾弾していた。
犯人らは乗っ取った同局のフェイスブック(Facebook)ページに、今年初めにパリで風刺週刊紙本社とユダヤ系食料品店がイスラム過激派の襲撃を受け17人が死亡した事件に言及し、「フランス人に1月、シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)とイペール・カシェール(Hyper Cacher)という贈り物が届いたのはまさにそのせいだ」というメッセージを掲載した。
フランスはイランとシリアのISを空爆する米主導の有志国連合に加わっている。仏上院が8日に発表した報告によると、イラクやシリアでISに加わるため出国したフランス人は1500人近くに上っており、欧州出身のIS戦闘員の約半数をフランス人が占めているという。(c)AFP/Pascale MOLLARD/Stéphane JOURDAIN