低身長ほど心臓病リスク上昇、遺伝子研究
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【4月9日 AFP】背が低い人ほど、動脈血栓の生涯リスクが高くなるとの研究論文が、8日の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に掲載された。身長と心臓病との間の長年知られていた関連性について、遺伝子分析で裏付けを得た形だという。
リスク上昇の主な原因が、貧困や栄養不足などの潜在的な外的影響(交絡)因子ではなく、身長の高低に影響するさまざまな遺伝子であることを示したのは、今回の研究が初めてだ。
英レスター大学(University of Leicester)率いる研究チームは、冠状動脈性心臓病の患者とそうでない人の計20万人近くのデータを集積したデータベースで、180個の異なる遺伝子変異を調査した。動脈内にろう様物質(プラーク)が蓄積することに起因する冠状動脈性心臓病は、心臓発作を引き起こす恐れがあり、世界で最も多い早死の原因となっている。
研究チームは、身長約2.5インチ(6.35センチ)の差で、冠状動脈性心臓病の発症リスクが約13.5%変化することを発見した。
論文の共同執筆者、クリストファー・ネルソン(Christopher Nelson)氏は「身長を高くする遺伝子変異を多く持つほど、冠状動脈性心臓病の発症リスクは低くなる。逆に言うと、遺伝的に低身長であるほど、リスクは高くなるということだ」と説明する。同氏は、英国心臓財団(British Heart Foundation)から助成を受けているレスター大学の講師だ。
身長と心臓病に関与する遺伝子の研究を重ねることは将来、予防と治療の向上につながる可能性があると研究チームは期待している。
論文主執筆者で、同大のサー・ニレッシュ・サマニ(Sir Nilesh Samani)教授(心臓病学)は「身長と冠状動脈性心臓病リスクとの間に反比例の関係が存在することは60年以上前から知られていた」と語る。
「今回、遺伝学的アプローチを採用して」研究チームは「低身長と同病リスク上昇との関連性が主要な関係であり、交絡因子に起因するものではない」ことを明らかにしたと同教授は話した。(c)AFP