「アメリカン・パイ」歌詞原稿、1億4400万円で落札 意味に初言及
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【4月8日 AFP】米シンガー・ソングライター、ドン・マクリーン(Don McLean)さん(69)による70年代のヒット曲「アメリカン・パイ(American Pie)」の歌詞が書かれたオリジナルの原稿が7日、米ニューヨーク(New York)の競売で120万ドル(約1億4400万円)で落札された。 競売はクリスティーズ(Christie's)が主催した。
用紙17枚、全18ページの原稿は、1970~71年に鉛筆、インク、タイプライターで書かれたもので、予想落札価格は100万ドル~150万ドル(約1億2000万円~1億8000万円)だった。
マクリーンさんは、歌詞を公開した理由について、20世紀後半の激変を表現した歌の本当の意味を理解してもらいたかったためとしており、「それは描くことのできない1枚の米国の写真であり、それを言葉と音楽で捉えようとしたんだ」とクリスティーズのカタログで述べている。
「アメリカン・パイ」はもともと、マクリーンさんがまだ新聞配達をしていた1959年に、ロック歌手の故バディ・ホリー(Buddy Holly)の死を知った少年時代の思い出から着想を得たもの。 曲の中の「音楽が死んだ日(the day the music died)」というフレーズは、バディ・ホリーらロックのスターが死亡した1959年の飛行機墜落事故を指すものとして知られていた。
だが、クリスティーズのインタビューで、マクリーンさんは、この曲の歌詞に込められた意味について初めて触れている。歌詞の意味をめぐっては、長きにわたってファンの間で議論が交わされてきた。
「基本的に、アメリカン・パイでは、物事が間違った方へ向かっているということを歌った。理想やのどかさというものがなくなっていった。人がこれを良いと見るか悪いと見るかはわからないが、この曲はある意味、戒めの歌なんだ」
また「バイ、バイ、ミス・アメリカンパイ」というサビの部分については、薬局で買い物中に突然頭に浮かんだと述べ、「鉛筆と紙を持っていなかったので、車を飛ばして家に帰り、走り書きして、テープレコーダーで録音したんだ」と数十年前のエピソードを振り返った。
「アメリカン・パイ」はグラミー賞(Grammy)での殿堂入りを2002年に果たしている他、全米レコード協会(Recording Industry Association of America、RIAA)と全米芸術基金(National Endowment of the Arts)が選ぶ20世紀の偉大な曲のリストの第5位に選ばれている。(c)AFP