【4月6日 AFP】300人以上の死者・行方不明者を出した昨年4月の旅客船セウォル(Sewol)号沈没で、韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は6日、遺族からの強い抗議をうけ、船体の引き揚げを検討することを約束した。

 朴大統領の公式ウェブサイトによると、朴大統領は同日の閣僚会議で「行方不明者の親族、専門家らなどの意見をもとにセウォル号の船体引き揚げを前向きに考える」と語ったという。

 高校生325人を含む476人を乗せたセウォル号は昨年4月16日、韓国南西沖で沈没。75人は救助されたが残る全員が死亡・行方不明となった。

 この惨事から1年を来週に控え、遺族らは先週末、生徒の出身地の安山(Ansan)からソウル(Seoul)に向けて35キロをデモ行進した。参加者の中には頭をそり、哀悼の意を示す白い衣装姿の人々も多く見られた。

 ソウルでは数百人の支援者も合流し、遺族らはセウォル号船体の引き揚げと独立機関による事故の真相究明を政府に求めた。

 セウォル号の沈没では295人の死亡が確認されたが、ダイバーによる不明者の捜索は9人が依然として行方不明のまま、昨年11月に打ち切られた。

 セウォル号の惨事は、過積載や安全点検当局の不手際、違法な船体改造が沈没の主な原因だったことが判明し、嘆きと怒りが韓国全土に広がった。(c)AFP