【4月6日 AFP】4日にフェネルバフチェ(Fenerbahce)のチームバスが銃撃を受ける事件が起こったトルコだが、同国の政府関係者は5日、国内リーグを延期する考えはないことを明らかにした。

 トルコ1部リーグで現在首位に立つフェネルバフチェは、敵地リゼ(Rize)でのチャイクル・リゼスポル(Caykur Rizespor)戦に5-1で勝利。その後の本拠地へ戻る帰途、黒海(Black Sea)沿岸のトラブゾン(Trabzon)で銃撃に遭った。

 これを受けて、クラブはウェブサイトで「今回の襲撃事件がフェネルバフチェおよび世論の納得する形で解決されない限り、リーグ戦の延期は避けられないと考える」と発表し、リーグ戦の中断を求めていた。

 しかし、セバハティン・ウストゥルク(Sebahattin Ozturk)内相は5日、首都アンカラ(Ankara)で報道陣に対し、「延期や中止が必要な状況とは思わない」と話した。

 その一方で、チャガタイ・クルチ(Cagatay Kilic)青年スポーツ相は「卑劣かつ非人道的な」襲撃と話し、クラブも「血が流れ、サッカーは沈黙した。犯人の特定と処罰は、フェネルバフチェにとって極めて重要である」と述べている。

 また、トルコサッカー連盟(TFF)はこの日、7日に行われる予定だったフェネルバフチェ対メルシン・イドマン・ユルドゥ(Mersin Idmanyurdu)のトルコカップ(2014-2015 Ziraat Turkiye Kupası)の試合の延期を決めた。

 今回の事件で選手にけがはなかったが、運転手が顔を負傷した。クラブのマフムート・ウスル(Mahmut Uslu)副会長は、「襲撃者はバスを衝突させて、選手を殺そうとしていた」と訴えている。

 襲撃を受けたバスには、ブラジル出身のジエゴ・リバス(Diego Ribas)やポルトガル出身のラウル・メイレレス(Raul Meireles)など、各国代表級のスター選手も乗っていた。オランダ代表のディルク・カイト(Dirk Kuyt)は遠征に帯同していなかった。

 報道によれば、発砲された運転手はバスをコントロールできなくなったが、チームスタッフがブレーキを踏み、何とか谷底へ落下するのを防いだという。

 チームはその後、空路でイスタンブール(Istanbul)へ戻ることになり、警護をつけられてトラブゾンの空港へ向かった。(c)AFP/Burak AKINCI