【4月6日 AFP】スイス・ジュネーブ(Geneva)近郊にある世界最大の加速器「大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron ColliderLHC)」が5日、2年間の改良工事を終えて運転を再開した。欧州合同原子核研究機構(European Organisation for Nuclear ResearchCERN)が発表した。改修によって、宇宙を構成する暗黒物質や反物質などの未知の領域についての物理学者らによる研究が可能となる。

 LHCは2012年、万物に質量を与えるとされる「ヒッグス粒子(Higgs boson)」の存在を証明するために使用された。このいわゆる「神の粒子」の存在は、1964年に複数の科学者によって理論化され、そのうちの2人は2013年にノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)を受賞した。

 LHCは、2013年2月に運転を停止し、最大衝突能力をほぼ倍増させるための改修工事が行われていた。改修前の最大衝突エネルギーは、12年に記録した8兆電子ボルト(TeV)。これが改修後にはまず13TeVとなり、その後、最大14TeVに達する可能性もある。(c)AFP/Nathalie OLOF-ORS