米捜査官2人がビットコイン大量詐取、「シルクロード」摘発中
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【3月31日 AFP】(一部更新)米司法省は30日、仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin)」の闇取引サイト「シルクロード(Silk Road)」の摘発に携わった覆面連邦捜査官2人が、大量のビットコインを詐取していたと発表した。
司法省によると、この2人は米麻薬取締局(US Drug Enforcement Administration、DEA)の元特別捜査官カール・マーク・フォース(Carl Mark Force)と、米大統領警護隊(シークレットサービス、US Secret Service)の元特別捜査官ショーン・ブリッジズ(Shaun Bridges)の両容疑者。フォース容疑者は電信詐欺、国有財産詐取、資金洗浄の罪で、ブリッジズ容疑者は電信詐欺と資金洗浄の罪で、それぞれ訴追された。
2人は、「シルクロード」が麻薬密売の場となっているとの証拠を掴むための2013年の覆面捜査に携わっていたが、その際に行った取引で得た大量のビットコインを保持していた疑いがもたれている。
フォース容疑者は捜査の過程で、「シルクロード」を所有していた「ドレッド・パイレート・ロバーツ(Dread Pirate Roberts)」ことロス・ウルブリヒト(Ross Ulbricht)被告と連絡を取るため、暗号化ソフト「PGP」を使って未承認の偽装アイデンティティーを複数作成。このうちの1つを使い、ビットコイン25万ドル(約3000万円)相当と引き換えに、米連邦捜査局(FBI)の捜査から保護すると申し出た。
さらに、別の偽装アイデンティティーを利用して、捜査情報の提供と引き換えに10万ドル(約1200万円)相当のビットコインを要求したとされる他、「シルクロード」とウルブリヒト被告を摘発するための証拠集めとしてFBIが同サイト上で行った取引で使われた資金を保持していたとされる。
一方、ブリッジズ容疑者は、サイト上で起きたビットコイン大量盗難事件の直前に、捜査の一環として「シルクロード」の管理者アカウントを入手したという。司法省によると、盗難に遭ったビットコインは当時ビットコイン大手取引所だった東京に拠点を置く「マウントゴックス(Mt.Gox)」の口座へ移された。
ブリッジズ容疑者はその数週間後、マウントゴックスから82万ドル(約9900万円)相当のビットコインを自分の管理する米口座に送金し始めた。最後の送金は、マウントゴックスとその所有者から資金を押収する司法省命令にブリッジズ容疑者が関与した2日前だったという。(c)AFP