【4月2日 AFP】米西部での歴史的な干ばつが4年目を迎えるなか、太平洋に面したカリフォルニア(California)州の州内最大の湖「ソルトン湖(Salton Sea)」では、環境問題が深刻化している。

 ロサンゼルス(Los Angeles)の南東250キロ、ジョシュア・ツリー国立公園(Joshua Tree National Park)の南にあるソルトン湖は、1950~60年代にかけて、ウォータースキーやヨット、魚釣りが楽しめるリゾート地として人気を博した。

 だが、1970年代に入ると湖は縮小を始め、水位の低下や塩分濃度の上昇といった問題が発生した。

 ソルトン湖の湖底にはカドミウムやリン酸塩、化学肥料、殺虫剤などが堆積しているとされ、湖水の蒸発によってこれらの物質が飛散する可能性が指摘されている。湖の周辺地域では既に、ぜんそくや肺がんなどといった呼吸器系疾患の発症率が全国平均の4倍となっているとされる。

 事態の打開を図るために、環境保護活動家や研究者、地元当局者らは州政府に対して必死の働きかけを試みている。検討中の案には、パイプラインを使って太平洋やカリフォルニア湾(Gulf of California)から湖に水を取り込む計画などがある。(c)AFP/Veronique DUPONT