【3月29日 AFP】W杯ブラジル大会(2014 World Cup)での惨敗を受け、ドゥンガ(Dunga)監督の下で立て直しをはかっているブラジル代表だが、FCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するダニエウ・アウベス(Daniel Alves)は、代表の強引にも見えるチーム刷新に疑問を抱いている。

 ドゥンガ監督は、2014年7月にルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)前監督に代わって代表の指揮官に復帰して以来、積極的に新顔を招集しているが、26日のフランス戦の勝利で就任後は無傷の7連勝と、そのやり方で結果も残している。

 しかしアウベスは、28日に国内紙グロボスポルテ(Globoesporte)のウェブサイトに掲載されたインタビューで、「改革のあるところには、不安定さがつきまとう」と話した。

 アウベスは、W杯では準々決勝のコロンビア戦、大敗した準決勝のドイツ戦でベンチスタート。そして、新体制になってからは代表にまったく声がかかっていない。

 それでもアウベスは、ベテランにも果たせる役割はあると考えており、「ほとんどのチームは6年か7年、場合によってはもっと長い時間をかけて、継続性を持ってグループを作っている」と話した。

「W杯でうちらを敗退に追いやったドイツは、大きなプロジェクトを立ち上げて、長い時間をかけて準備を進めていた。ブラジル国旗に記されているモットーは忘れない。秩序と進歩。秩序のないところに進歩はない。改革のあるところには、不安定さがつきまとう」

 フランス戦、さらに29日のチリ戦に向けた招集メンバー26人のうち、ブラジルW杯の代表に選出された選手はわずかに9人しかいない。しかしアウベスは、ブラジルの近年の問題は、ドゥンガ監督個人の方針をはるかに超えたところにあると考えている。

 アウベスは、「チームはしばらく混乱しているし、落ち着かない状態にある。選手だけに頼るんじゃなくて、ブラジルサッカー連盟(CBF)が手を打って、しっかりと国を代表するチームを作り上げてほしい」と締めくくった。(c)AFP