米アップルのクックCEO、ほぼ全ての資産を寄付へ
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【3月29日 AFP】米アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO、54)が「資産の半分以上を慈善団体に寄付する」ことを呼び掛ける「The Giving Pledge(ギビング・プレッジ)」の活動に参加する富豪の一人に加わると、米経済誌フォーチュン(Fortune)が伝えた。
同誌電子版が26日付で掲載した記事は、3年余り前に米カリフォルニア(California)州を象徴する企業、アップルのCEOに就任したクック氏が自らのリーダーシップのスタイルをいかに同社に浸透させてきたかについて焦点を当てたもの。クック氏の「変化のためのさざ波を起こす、池に投げ込まれた小石でありたい」との言葉も紹介されている。
記事によると、クック氏は10歳になるおいが大学教育を受けるために必要な資金を除いた全資産を寄付する考え。クック氏の資産は、保有するアップルの普通株から推定すると約1億2000万ドル(約143億円)となる。さらに同氏はアップルの制限付き株式も保有しており、この価値を同様に計算すると、最大でおよそ6億6500万ドル(約792億円)となる。
クック氏はまた、自身にとってはアップルで多額の報酬を得ることよりも、世界を変えることの方が優先順位が高いと語った。これまで寄付は慎重に行ってきたが、より体系的な方法で行うことにしたという。
検討している寄付先については言及していないが、同氏はこれまでに公民権やAIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)、移民制度改革、環境保護などの問題に関する自らの見解を明らかにしている。また、同氏は昨年、フォーチュン誌が選ぶ世界のトップ企業500のCEOとして初めて同性愛であることを公表している。
■活動にはシリコンバレーの大物多数が賛同
著名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏とマイクロソフト(Microsoft)の創業者ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が立ち上げた「The Giving Pledge」は、世界有数の富豪に対して保有する富の半分以上を慈善活動に寄付するよう呼び掛けている。
The Giving Pledgeのウェブサイト(givingpledge.org)によると、米フェイスブック(Facebook)の共同創設者マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEO、ソフトウェア大手オラクル(Oracle)の創設者ラリー・エリソン(Larry Ellison)氏、IT産業の中心地シリコンバレー(Silicon Valley)で活動するベンチャーキャピタリストのジョン・ドーア(John Doerr)氏などが参加している。(c)AFP