【3月27日 AFP】ドイツ格安航空会社ジャーマンウイングス(Germanwings)9525便の墜落で、ドイツ紙ビルト(Bild)は27日、同機を意図的に墜落させたとされる副操縦士が6年前に深刻なうつ病を患っていたと報じた。

 ビルト紙は、ドイツの航空規制当局であるドイツ連邦航空局(LBA)の資料をもとに、アンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)副操縦士(28)が2009年に「深刻なうつ病」で精神医学的な助けを求め、その後も医師からのサポートを受けていたと伝えた。ルビッツ副操縦士は治療を受けており、ジャーマンウイングスの親会社ルフトハンザ航空(Lufthansa)がこの情報をLBAに報告していたという。

 ルフトハンザ航空のカールステン・シュポア(Carsten Spohr)最高経営責任者(CEO)は、ルビッツ副操縦士が2008年から操縦士の訓練を始めたが、この訓練を「一定の期間」中止していたことを明らかにした。

 ルビッツ副操縦士はその後訓練を再開し、2013年にエアバス(Airbus)A320型機の資格を取得した。ビルト紙によると、訓練を中止していた期間中に「うつ病と不安発作」を患っていたという。

■「機長はおので扉を破ろうとした」

 またビルト紙は同日、治安当局筋の話として、副操縦士によって操縦室から締め出された機長が、おのを使って操縦室内に戻ろうとしていたと伝えた。

 9525便の墜落については26日、回収された同便のボイスレコーダー(音声記録装置)解析を担当するブリス・ロバン(Brice Robin)主任検察官が、ルビッツ副操縦士が機長を閉め出し、操縦室内に一人きりになった際に意図的に同便を墜落させた疑いがあると発表した。

 さらに仏検察当局は、ボイスレコーダーの記録から、同便が降下を始めた際、機長は扉を何度もノックし操縦室内に戻ろうとしていたようだと伝えていた。

 一方ビルト紙は27日、機長がおのを使って操縦室の装甲扉を破壊しようとしたと伝えた。

 この情報について確認はとれていないが、ジャーマンウイングスの広報担当者はAFPに対し、機内におのがあることを認めた。この広報担当者はビルト紙に対し、そうした道具は「A320型機の安全装備の一部」だと述べている。(c)AFP