独機「意図的」墜落で世界に衝撃、航空各社が規則見直し
このニュースをシェア
【3月27日 AFP】ドイツ格安航空会社ジャーマンウイングス(Germanwings)4U9525便は機長を操縦室から閉め出した副操縦士によって「意図的に」墜落させられた疑いがあるとした仏当局の発表は、世界を震撼(しんかん)させ、航空各社は相次いで操縦室規則の見直しを表明した。
墜落したエアバス(Airbus)A320型機のボイスレコーダー(音声記録装置)解析を担当するブリス・ロバン(Brice Robin)主任検察官は、同機墜落までの数分間について衝撃の事実を発表。それによると、アンドレアス・ルビッツ(Andreas Lubitz)副操縦士(28)は操縦室内に一人きりになった際に、同機を降下させ始めた。同副操縦士は同機を「破壊したいという欲求を示していた」とみられるという。
ロバン主任検察官は、ルビッツ副操縦士が降下ボタンを意図せずに押し、誤って同機を降下させてしまったという可能性は低いとみている。「もし意識を失って覆いかぶさったとしても、(ボタンは)4分の1押されるだけで作動はしない」という。さらに同副操縦士は、「同機の降下を加速させる」よう操作したとされるが、一連の行動の動機は依然謎に包まれている。
同機墜落により乗客乗員150人が死亡、そのうちの多くはドイツ人とスペイン人だった。新情報に対しアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は、悲劇に「想像だにしなかった一面」が加わったと述べた。またスペインのマリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相も「深く動揺している」と語り、遺族に対し「心からの親愛の情」を示した。
■各社が相次ぎ規則見直し
発表を受け、航空業界で最初に操縦室規則の変更を命じたのはカナダ当局だった。これにより同国航空会社は操縦室の常時2人体制を義務付けられ、即時適用された。なお、米国の航空会社の多くは既に同様の規則を導入している。
また英格安航空イージージェット(easyJet)、ノルウェー・エアシャトル(Norwegian Air Shuttle)、アイスランド航空(Icelandair)も規則改定を発表。ドイツ航空協会(BDL)も、操縦室の常時2人体制を各社に義務付ける方針を明らかにした。(c)AFP