【3月25日 AFP】黒人の入店を拒否しているとして批判されていたケニアの首都ナイロビ(Nairobi)の中華レストランが一時閉店となり、店主らが当局に出頭を求められた。現地メディアが25日、伝えた。

 ナイロビの商業・居住地区キリマニ(Kilimani)にある「重慶(Chongquing)」は、人種差別的な対応をとっているとして近隣住民がソーシャルメディアで激しい怒りの声を上げたことから市当局に注視されるようになった。同レストランは、午後5時以降の黒人の入店を拒否していたという。ソーシャルメディアでは「#RacistRestaurant(人種差別レストラン)」や「#NoBlacksHere(黒人お断り)」、「#TheChineseInvasion(中国の侵略)」などのハッシュタグがトレンドの話題となった。

 レストランの店主らによると、この措置は2013年の強盗事件を受けたもの。地元紙デーリー・ネーション(Daily Nation)によると店主らは人々を怒らせてしまったことについて謝罪しているという。

 だが、レストランが一時閉店となったのは、正式な免許を持っていなかったためだった。ナイロビ州のエバンス・キデロ(Evans Kidero)知事は声明で「このレストランが免許を持っていなかったことが分かり、規則に従うまで同店を閉鎖するよう私が命じた」と述べた。

■「知らないアフリカ人の入店を認めない」

 レストランの広報担当者はデーリー・ネーション紙に対し、強盗とソマリアを拠点とする国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系イスラム過激派組織「アルシャバーブ(Shebab)」の戦闘員の入店を阻止するためにこのような措置をとったと語った。アルシャバーブは2013年にナイロビの「ウエストゲート(Westgate)」モールを襲撃し、少なくとも67人が死亡した。

「われわれは知らないアフリカ人の入店を認めない。なぜなら、誰がアルシャバーブで誰がそうでないかの区別がつかないからだ」とレストランの広報担当者エスター・ザオ(Esther Zhao)氏は語り、在ナイロビ中国大使館から中国企業に対し襲撃に警戒するよう注意があったと付け加えた。

 中国は東アフリカ最大の経済国であるケニアの主要な投資国。ナイロビ市当局者は地元紙スター(Star)に「(今回の騒動は)ケニアと中国の友好、外交関係とは無関係」と語った。(c)AFP