【3月25日 AFP】米ヘビーメタルバンド、メタリカ(Metallica)が1988年にリリースした「メタル・ジャスティス(...And Justice For All)」は、同ジャンルの歴史において最も影響力のあるアルバムの一枚だが、同アルバムをめぐってはファンの間である疑問が上がっていた──ベースの音はどこ?

 リリースから27年、同アルバムでミキシングを務めたスティーブ・トンプソン(Steve Thompson)氏が、この謎の真相について語った。

 ギター関連のファンサイト「UltimateGuitar.com」に掲載されたインタビューによると、同アルバムのレコーディングでは、ドラムのラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich)が、ベースの音量を下げてドラムの音を目立たせるべきと主張したのだという。つまり、ベースの音量をわざと下げたというのだ。

「ラーズから『ベースの音を下げてよ。ミックスでやっと聞こえるぐらいに』と言われたので『冗談だろう?』って答えた」とトンプソン氏は当時のやりとりを説明。そして真剣に取り合ってもらえなかったウルリッヒが、バンドを辞めるとまで言い出したことを明らかにした。このときは、本人とバンドのマネジャーたちから制止され事なきを得たという。

 しかし、ウルリッヒは、当時のことについてすっかり忘れてしまっているようで、ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)入りを果たし再会した際には、なぜベースの音が聞こえないのかと質問されたという。「やつをぶん殴ってやりたかったよ。ベースの音が小さくて責められたのはこっちなんだから」

「メタル・ジャスティス」では、バンドに加入したばかりのジェイソン・ニューステッド(Jason Newsted)がベースを担当。当時の彼の演奏についてトンプソン氏は賞賛している。(c)AFP