ハンガリーで展示の僧侶のミイラは盗品?中国が返還求める構え
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【3月23日 AFP】ハンガリーの博物館の展覧会に出展されている約1000年前の僧侶のミイラについて、20年前に盗まれたものだとして中国福建(Fujian)省の当局が返還を求める構えを示した。
このミイラは、ハンガリーの首都ブダペスト(Budapest)にあるハンガリー自然史博物館(Hungarian Natural History Museum)で公開されている、世界の異なる文化から集められた28体のミイラの1体で、仏像の中に収められている。
福建省の当局の広報担当者は中国国営新華社(Xinhua)通信に対し、この仏像は同省の楊春(Yangchun)村の寺院から盗まれたものだと思われると語った。12世紀から参拝されていたこの像は、1995年に同村の寺院からなくなったという。ある農民は、23日付の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に「写真をテレビのニュースで見たときに、なくなった私たちの仏像だと思った」と語った。
一方、ハンガリーの博物館は23日ウェブサイトに、貸し出しの提携相手であるオランダのドレンテ博物館(Drents Museum)の要請に基づき、この仏像を展示から外し、オランダへ送り返したと発表した。ドレンテ博物館広報の話として新華社が伝えたところによると、仏像はオランダの個人収集家が1996年に合法的に購入したものだという。(c)AFP