【3月24日 AFP】フランスで最近、首都パリ(Paris)市内や原子力発電所の上空を謎の無人機が飛行し、当局の頭痛の種になっている。当然、メディアはこの現象に関心を示し、そうしたニュースに合う写真も求められる。だが首都の空を無人機が飛んでいる瞬間を撮るなんて、よほどの運がないと無理だ。

 そこで私は、無人機に関するニュースがあったときに使えるような「イメージ写真」の撮影を任された。指名されたのは偶然ではない。私が無人機マニアだからだ。地方に行った際に空撮に使うための無人機を2機持っている。

 そうして、ある晴れた日、私は重さ2キロの無人機を抱えて、パリの名所を背景に撮影するために出かけた。問題は、パリ上空でリモコン操作の無人機を飛ばすことが禁止されていることだった。そのわずか2日前、パリ西端にあるブローニュの森(Bois de Boulogne)で無人機を飛ばしたカタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)の記者2人が拘束され、1人は罰金刑を受けた。彼らが無人機を飛ばした目的も私と同じだった。

 法を順守する市民である私が最初に考えついたのは、エッフェル塔(Eiffel Tower)の下で、無人機を地面に置いて撮影することだった。だがすぐに、そんな構図では使えない写真にしかならないことが判明。頭を切り替えて、やはり空を飛ぶ無人機の写真を合法的に撮る策はないかと考えた。

 その前に、いつもバイクで市内を動き回り、AFPの仕事を手伝ってくれているバイカーのスタッフについて話しておきたい。バイカーは写真記者の強い味方だ。AFPの写真部は、緊急時に記者を乗せて現場へ急行してくれたり、移動しながら撮影する写真が必要なときに手を貸してくれたりするバイカー2人と契約している。彼らは多くの素晴らしい写真を陰で支えてくれる存在だ。