【3月20日 AFP】東京電力(TEPCO)は19日、廃炉に向けた作業が進められる福島第1原子力発電所1号機で新たに実施した調査の結果、原子炉圧力容器の内部には核燃料がほとんど残っていないことが分かったと発表した。

「ミューオン(muon、ミュー粒子)」と呼ばれる素粒子を使ってレントゲン写真のような画像を作成する技術によって、第1原発1号機では核燃料が溶け容器の底に落ちたことがほぼ確実であることを示す証拠が得られたという。

 TEPCOの広報担当者は、これまでの分析から燃料が溶け落ちていることが強く示されていたものの、今回の調査の結果、その燃料がある正確な場所を特定するのに役立つデータが新たに得られたと説明した。今後はロボットを投入して、燃料がある場所の特定を進める計画だ。

 廃炉完了までには30~40年かかると見込まれている。(c)AFP