【3月20日 AFP】チュニジアの首都チュニス(Tunis)の国立バルドー博物館(National Bardo Museum)が武装集団に襲撃された事件で、乗客が犠牲になったイタリアのクルーズ船運航会社2社が19日、安全上の懸念からチュニスへの寄港を当面見合わせると発表した。チュニジアの重要な産業である観光業にとって打撃となる決定だ。

 発表を行ったのはMSCクルーズ(MSC Cruises)とコスタ・クロシエレ(Costa Crociere)。18日に発生したバルドー博物館での事件で犠牲になった外国人観光客20人の大半は、両社のクルーズ乗船客だった。

 両社の客船は19日に出港し、次の寄港地へ向かっている。乗船客向けにトラウマ・カウンセリングを提供する必要はあるものの、予定通りツアーを続ける予定とみられる。

 コスタ・クロシエレは次の寄港地であるスペイン・マジョルカ(Mallorca)島での下船を希望する乗船客には、帰国のための航空券を提供するという。

 今回の事件は、地中海の周辺地域の安全に関する懸念を改めて知らしめ、夏のピークシーズンの予約にキャンセルが相次ぐのではないかとの不安の声を生んでいる。(c)AFP